![]() あっつい夏がやってまいりました。そんな季節にぴったりの都市伝説。 『夢に見た水神様のお告げ通りに井戸を掘り きちんと管理してお祀りしている上 その冷たい井戸水もタダで汲めるアリガタイ場所がある』そうな。 何の案内も看板も出ていない、知る人ぞ知る、まさに穴場スポット。 さっそく探しに行ってみましょ。 ![]() 東京、文京区関口町。 神田川沿いに広がるこの辺りは 豊かな水脈に恵まれた土地でございました。 町名の起こりも、日本初の都市水道 神田上水の「堰」を設けたことからと言われております。 みなさまご存知の椿山荘もここ関口町にあり 庭園にある「古香井(ここうせい)」という井戸は 名水として知られております。 その湧き水は約100年かけて秩父山系から流れついた ミネラルを豊富に含む地下水だそうで 今でも立派に飲み水として利用できるとのこと。 かつては「No.1」という名前で販売までされていたそうでございますよ。 |
水との関わりが深いことを物語る「水神社」もございます。 創建は定かではございませんが 八幡宮の宮司の夢枕に立った水神様が「我、水伯(水神)なり。 我をこの地に祀らば、堰の守護神となり 村民を始め江戸町ことごとく安泰なり」と お告げになったことにはじまるそう。 しかぁし! 時を経て、水神様は再び夢枕にお立ちになった。 しかぁも! 宮司サンではなく、キリスト教をルーツに持つ パン屋さんのご主人の元に。 明治21年(1888年)、小石川関口教会(現関口教会)付属 聖母仏語学校製パン部として創業した『関口フランスパン』。 このパン屋さんの脇を入ったところに、そぅっと佇むお社。 ここがウワサのスポット!! |
日本で120年間変わらぬ製法で 美味しいパンを提供し続けるパン屋さんの元に ある日、『ここが本来の場所である』という水神様のご霊示あり。 その通りに敷地を掘ってみると、あ〜ら不思議やありがたや。 澄んだ井戸水がこんこんと湧き出した! そこで、この地に「関口水神」をお祀りしたそうでございます。 「もともと豊富な水脈を誇る土地なんだから、掘れば水は出そうじゃん」 という、俗物っぽいツッコミはバチあたりですからやめておきましょう。 「なぜパン屋さん?」というツッコミもいけませぬ。 なぜならば、カミサマゴトに『なぜ』という問いは禁物ですから、ね。 |
「発願」ではなく「霊示」。 という事は、カミサマのご指定ですから あたらおろそかには出来ようはずございません。 ましてや、洋物ではあるけれど、信仰を由緒に持つお店。 そのお祀りはとても丁寧。 そして、ロックキーでしっかりガードされてはいるものの ヒミツの番号さえ入手すれば、誰でもお参りし お水を頂く事まで出来ます。う〜ん、場所は狭いが、心は広い。 木戸をくぐればすぐそこに、岩清水のようにキラキラとした井戸水が。 ここでまず喉をうるおしてよし、持参した容器に汲んでかえってもよし。 見過ごしてしまうほど質素な外観は、清らかな水を荒らされないための カモフラージュのひとつなのかもしれませぬ。 |
奥には、清らかな空気に包まれて水神様がお祀りされております。 その願掛けの仕方が、これまたなんともファンタスティック! 置いてあるお札に描かれた水神様を、備え付けのマジックで それぞれの願い事によって決められた色で塗りつぶし お賽銭箱に入れると願い事が叶うとのこと。 一見ペルシャネコのようにも見えるキュートな水神様。 これがけっこう細かいタッチで描かれており 太いマジックで塗るのはなかなか集中力が必要。 この「一心にマジックで色を塗る」という行為が、心を空にするのかも。 そういえば、禅寺でも写経で心落ち着かせるしなぁ、などと思いを馳せながら もちろんワタクシも、一心不乱、邪心満々でマジックを手に致しました。 |
現代に甦った水神様のウワサは誰言うともなしに広がり 同時に「霊験あらたか」のウワサも広がって ご近所の主婦は言うに及ばす、受験生から不況にあえぐ経営者まで ご利益求めてやってくるのだそう。 特に、「1」のつく日はご利益倍増だそうで、今や行列が出来るほどの賑わい。 「11時11分」と時間にまでこだわる御仁もいるとかいないとか。 でもね、水神様のように『気』を変えて、その場の良い『気』を頂いて帰る場所には 本来3時間くらい滞在する必要があるのだそうでございます。 ご利益だけ求めて、ちょっと行ってすぐに会社や自宅に戻って お参りする前の悪い『気』を引きずっていたら何にもならない。 いくらパワーポイントに行っても、「自分で気分をリセットする」ことが 大切だということなのでございましょう。 |
水神様の周囲には緑が多く、爽やかな『気』が満ちております。 近所を少し散策などして、まずはゆったりとした心持ちになってみたらいかがでしょう。 関口フランスパンには、イートインコーナーもあります。 |
![]() あえて場所の詳細は省きます。 お心あらば、ご自身の目と足で確かめにお出かけ下さいませ。 キンと冷えた湧き水と共に、水神様は静かに迎えて下さいます。 お水は「安全基準値」の検査済みですから 生水でも安心して飲めますが、心配な方は煮沸してどうぞ。 パンもとても美味しいので、パン好きの方はそれだけでも行く価値アリですぞ。うふ。 |